■東京でも屈指の名所に、オールチタンの大屋根が登場
画期的なチタン製本瓦棒を採用し、鬼飾りまでもチタンで製作
浅草のシンボルであり三社祭でも全国的に知られる浅草寺(東京都台東区)では、現在、宝蔵門の改修工事が進められています。
その宝蔵門の屋根材として、従来の瓦に代えて新日鐵のチタンが採用されています。
屋根の総面積は1080平方メートル、アルミナブラスト仕上のチタンが使用され、その総重量は約7トンです。
本物件にチタンが採用されることとなったのは、一年中、国内外からの観光客・参拝客で賑わう浅草寺において、耐震性や安全性確保等の見地から、瓦よりも格段に軽量で耐久性にすぐれる「新しい素材」チタンが好適と判断された等の理由によるものです。
また、本物件の大きな特色として、チタン屋根ではわが国で初めてとなる「本瓦棒」が採用されています。これにより、チタン屋根でも、本瓦葺きとほぼ同じ形状が実現されることとなりました。
チタン製「本瓦棒」は、寺社仏閣の銅の屋根施工では最大手であるカナメとそのグループ会社のルーフシステムに、新日鐵が素材面から協力することで誕生することとなりました。
これまで金型での複雑な加工・成型が困難とされてきたチタン用に、新たな金型を開発するとともに、プレス技術の革新をはかることで、「チタンの本瓦葺き」を可能としました。
これに加えて、屋根のシンボルであり、複雑な形状が求められる「鬼飾り」をチタンで製造するために、新日鐵がIT分野向けに新たに開発した超深絞り加工用純チタン材「Super-Pureflex」が適用されています。従来の金属製鬼飾りとは一線を画した、鬼瓦の造形に匹敵するチタン製鬼飾りもほぼ取付が完了しています。
本物件では、「本瓦棒」「鬼飾り」を含め、オールチタンによるトータルな屋根施工技術が、チタンの採用を促す大きな要素となりました。
■熟練の屋根職人さえも瓦と見紛う完成度
寺社に住宅に、チタン屋根のさらなる普及が期待されます
従来のチタン屋根は、デザイン面では銅屋根をはじめとする金属屋根の代替使用というケースが大半でしたが、このたびの浅草寺宝蔵門の屋根改修におけるチタン製本瓦棒の実現は、瓦に代わる新しい屋根材として、デザイン面でも幅広いチタンの可能性を切り開くものとなりました。
屋根用チタンの加工・成型において、本瓦棒の製作はもっとも高度な技術が必要であるため、事実上、いかなる形状の屋根もチタンで葺けることが実証されたことになります。
さらに、すべての部材のチタン表面は、「いぶし瓦」の風合いを持つ「アルミナブラスト仕上」が採用されています。そして、本瓦の質感に肉迫すべく、ブラストのかけ具合により光の反射率を異にしたチタン材(新日鐵製AD03およびAD06)をランダムに使用。豊かな立体感を醸しだし、施工現場を目にした熟練の屋根職人が本物の瓦と見間違えたというエピソードまでも誕生しています。
これを機に、神社仏閣分野をはじめ広く一般住宅への、チタン屋根・チタン建材普及に弾みがつくものと期待されます。
浅草寺宝蔵門の改修工事全体は、2007年6月完工の予定ですが、すでに上層部の足場もとれ、「チタンによる本瓦葺き」が、参拝者の目を楽しませています。
初詣、節分に三社祭と、多彩な行事が繰り広げられる浅草寺。ご参詣の折には、是非、このチタン屋根の完成度を、ご自身の目でお確かめいただきたいと思います。
祭用品専門商社 浅草 中屋 中川株式会社様のご厚意により、
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■浅草寺宝蔵門外部改修工事概要(チタン屋根部分)
・場所 東京都台東区浅草2-3-1
・施主 宗教法人 浅草寺
・設計・施工 清水建設株式会社
・屋根施工 株式会社カナメ/ルーフシステム株式会社
・施工面積 1080平方メートル
・チタン使用量 7トン(アルミナブラスト仕上)
・完工予定 2007年6月
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2007年6月の完工をめざし、
鋭意進められている改修工事 |
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新日鐵の高品位なチタンと
カナメが誇る技術の粋で完成した
「カナメチタン段付本瓦葺き」
(意匠登済・特許出願中)
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鬼飾りもすべてチタンで製作
加工性の良さを実証しました
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